操体法とは・・・

操体はとてつもなく大きな器です

hasimotokeizo

創元社 生体の歪みを正すより

操体・操体法とは仙台の医師である橋本敬三氏(1897〜1993)が、それまでの治療ではまにあわないと確信し民間医療に目を向け学び求め、その後に高橋迪雄氏の正体術との出会いを通しまとめたものです。最初から操体・操体法という名前が存在していた訳ではなく、NHKで取り上げられた事がきっきかけになって付けられました。
橋本先生は「名前なんて何でも良い」と仰っていたというのも、操体を学び臨床に使わせてもらっていると理解できます。名前に囚われることなく、からだとの対話を楽しむものなのですから。
操体法は臨床に使うもの、操体と思想・生命観を説いたものとされています。
操法とは動診・皮膚へのアプローチ(動かして確認・皮膚への問いかけ)から快適感覚(心地良さ・気持ち良さ)を味わっている間のことを言います。
これは、最初に誰から学んだかによっていろいろと伝えられに違いがあるようです・・・
快適感覚とは、脳の深い領域と関係があるように経験から感じています。
頭で考えると余計に遠くなってしまうので感覚まかせるとよいです。

操体法の特長は?

操体の最大の特長は、病状・疾患にとらわれないこと、からだ全体を一つとし快適感覚(気持ち良さ・心地良さ・きもちよさ)を味わうことでからだがもつ治癒能力を高め改善してゆくということです。
操体法では感覚を聞き分け快適感覚・気持ち良さ味わうと言う事がなにより重要なのです。
強い刺激を与えて調整・矯正するものが多いと思いますが、操体法において強い刺激を与えて矯正するという方法は一切いたしません。
なぜなら・・・
からだは快適感覚を味わう事により回復させる力があるからです。そして快適感覚を聞き分けるのは施術者ではなく受け手であります。つまり治療者はあなた自身ということになります。
それを自力自療と言います。
そしてその自力自療は、病状疾患の改善という事だけではなく、スポーツ選手から音楽・営業職などのパフォーマンスの向上にも効果的です。頭であれこれ考えずに、からだがききわける感覚に委ねてみましょう!
治す方法はからだが一番知っています。

4つの営み・・・そのバランス

営みといっても決して人に代わってもらうことのできないものがあります。
(呼吸ですね)
(食事をする)
(からだを動かすということ)
(いろいろ想うということ)です。
操体の基本原則になります。

息・食・動・想・環とは〜私が想うこと

 呼吸は僕自身、感覚と同様により深く探求している部分でもあります。息を吐く時には副交感神経が作用し、吸いこむ時には交感神経が作用します。そのバランスが大切であり、健康に大きく関わります。呼吸という事に置いて、様々な呼吸法があります。鍛錬的なもの健康呼吸といわれるもの。しかし・・・健康のためにという呼吸は個人個人で異なるものととらえています。その時のからだ・精神の状態に適した呼吸法が最良の呼吸のはずです。酸素を取り込むという事は、新鮮な空気をからだ中に送り込み、全身に循環させる事です。ですから、気持ち良い範囲で深く大きく吸いこみ、気持ち良いと感じる範囲で意識してゆっくりと吐き出す事が一番です。吐く時に意識するというのは副交感神経優位にしリラックス効果を高めるためでもありますし、吐けばその分は自然に吸いこむからです。
 食も生きていくうえで欠かせないものです。人間の歯においても、食物のバランスを考え形成されています。成人の歯の本数は親知らずを除き28本です。前歯8本・犬歯4本・奥歯(大・小臼歯)が16本で形成されています、肉等を噛み千切るのが犬歯、野菜などを食すのが前歯、お米など穀物が奥歯ですから、食のバランスが自ずと導かれるという事になりますね。つまり1:2:4です。お肉を食べたら2倍の野菜、4倍の穀物を食べなさいという事です。
主観ですが、食に対しても元々は栄養学など存在せず、その時のからだが求めるものを食していたと思います。住む土地の食物はその地で生きる為のバランスのとれたものではないか?と感じています。現在はどこへでもすぐに行けますし、インターネットなどありますから、美味しいものを簡単に食す事が可能です。
美味しいものを食べることは、もちろん良い事ですが美味しく食べられるという事がもっと大切な事ではないでしょうか?
 動きというものには常に重心移動がついてきます。操体で重心安定の法則と説かれており、バランスが的確にとれている人の動きは一言でいって美しいです。そして・・・末端を動かすだけでも全身形態は連動してバランスをとるのですから、デスクワークの方も小さな動きで良いので、適度にからだを動かしてください。からだは常にどんな状態が教えてくれています。
 想も非常に深く今後も学び続けるところですね。想(精神)つまり、こころの充実は全ての起点なのではないでしょうか?さらに・・・その充実度は息・食・動とも密接な関係があります。呼吸からの安定、食生活からの安定、動く事による安定。起点である想(精神)から始まり全てと関わり充実していくのです。環 息・食・動・想のバランスがとれ環が成り立ちます。環とはこのバランスの取れた全てを包むものと考えています。全ての物事には調和の取れたバランスが必要です。

この四つの営みは最低限あなた自身で責任を持たなければならないものです。さらに付け加えると、この四つのバランスが「快適」に保たれている時、健康に暮らせている(環)ということになります。どれか一つだけでもダメバランスは崩れます・・・。

 感覚のききわけこそが全てです・・・

感覚をききわけるというのは・・・
からだと対話するということ。
そして、快適(気持ち良さ・心地良さ)感覚の聞きわけは、けして頭で考え探すものではありません!意識と無意識の境界で、からだがききわける感覚と私は理解しています。イメージしてみてください。
ポカポカ温かい日に、ベンチにもたれ・・・気がつくとうたた寝している様子を。自然の空気に包まれて眠りに落ちる瞬間、これは全ての人が共通して気持ち良いと感じる時ではないですか?
からだが聞き分ける感覚が、からだの要求を満たす、求めるものならば、それが快適感覚(きもちよさ)です。まわりとの調和をもとに内部から湧き出る感覚を味わいましょう。

操体法の検査方法に動診があります。

これは一つ一つ動かして感覚差を確かめる方法です。
操体の原則の一つに不快感を感じる事はしないというルールがあります。
この動診においても違和感・不快感を感じれば動く必要はありません。全ては動きやすい、心地良いとプラスの感覚を得た時だけ続けます。面白いですよね?その感覚がからだのバランスを整えるのですから。
ペインサイセンスからの答えによれば、これは中枢への問いかけと捉えることができます。

皮膚に対しての問いかけがあります。

この皮膚へのアプローチは動きでのアプローチの弱点をカバーしています。動診からの問いかけができない方にもアプローチする事ができるのです。皮膚というのはからだ全体を覆っています、そして第三の脳とも呼ばれています。
この皮膚には皮神経があり情報を受け取る受容器が数多くあります。
動きたくない、動きづらい人への問いかけも可能ということになります。皮膚からの問いかけは、動きとは違ったより深い階層への問いかけになり、更に治癒能力を高めるスイッチになります。動きとはまた違った快適感覚、先程の例えで言うならば、日向でお昼寝をするような心地良さを味わって見て下さい。その時、あなたのからだは最高の治療者となるでしょう。
和ぐではこの快適感覚を最大限に引き出すために呼吸や感覚を使い、一人一人に合った施術を心がけています。
それだけではありません。和ぐではアプローチの引き出しを広げるために独自の研究を注入したり新しい技術も応用しています。そのため日々の勉強も妥協しません。きっとあなたに満足していただけるでしょう。

本来、操体法に疾患毎のアプローチはない

操体法で基本的に腰だけ、肩だけに対してのアプローチはありません。
なぜ?それは、からだは動く建物だからです。からだは肩が動けばそれに連なって各所が連動していきます。
だから、全体のバランスを整えるアプローチをしているのです。感覚を通して、精神、骨格、筋肉のバランスを整えます。バランスは他力でなく、自分自身の快適感覚が整えるから長持ちするのです。
皆さん自身もそうではないですか?心地良い場所にはずっといたいけれど、不快を感じる場所からはすぐにでも
離れたいですよね?からだもそうです、心地よさを味わって治まると、そこに止まろうとします。からだは、生まれたときからその事を知っています。

和ぐにおける理論の更新
最近の研究では姿勢・構造の歪み=痛み ではないという有力な答えが出されています。これは興味深いことで、痛みの消失=構造の歪みを正すことではなく、構造の歪みを正す過程において何かが変化してるということになります。
その何かは『神経系の関与』と言われています。
このことからも和ぐでは構造の歪み視点は痛みの軽減・消失によって起こる結果の一つと捉えています。

操体法(手技)そのもののアプローチが変わることないのは、感覚を重視するというところにあります。感覚すなわち脳に対しての問いかけであり、本などでは明確にはしていませんが間違いなく神経系の問いかけも含まれています。

あなた自身でできる

あなた自身で自分のからだを調整できるようになります。
誤解のないようにお伝えしますが、しっかりした基本・コツを覚えればという事です。そのために僕らのような施術者がいるわけです。

だれに対してもアプローチ可能

赤ちゃん・年配の方・妊娠中の方・からだの不自由な方に対してもアプローチできると言うことです。場所も、選びませんし、器具も使いません。必要なのはあなた、そして適切なアドバイスができる施術者です。
感覚の聞き分けが一番大切ということは・・・一人でも可能なのです。

快適に生活するにあたって、点数で言えば60点あれば良いとされています。それは、息・食・動・想のバランスが取れているという事になります。それだけでも、素晴らしいことですが、さらに上の生活を送るために活かせるとしたらもっと素晴らしいと思いませんか?

からだは、歪み→痛み・違和感→機能障害→病名という順序で悪化します。
つまり歪みはまだ未病段階なのです、この歪みを正すと言う事は病気にかかりにくいからだを維持するという事になります。ご希望の方は自力自動によるセルフケア指導もさせていただきます。からだが歪みを治すと言う事は、治すべき歪みを治してくれるという事です。
自力自動のコツを掴み、快適生活に役立ててみてはいかかでしょう。