神経系とは
多くの治療院でも見逃されている絶対に大切なもの
様々な手技療法において、アプローチは色々あり、それぞれの手技による効果があるのは確かです。
効果はあるけど、それはなぜ効果があるのか?また効果が出てもまた、すぐに痛くなったりすることがあるのはなぜだろう?という疑問が僕の中にありました。人様のからだを見させていただくからには効果を出さなければ仕方がないのは確かですが、僕の中で、何がどうなっているから効果が出るのか?なぜ歪みが取れてもまた痛くなるのかが知りたくなりました。
そこで、いろいろ聞いたり、調べたりする中で神経系という大切なのに、僕自身もあまり意識していなかったものにたどり着き、興味を持ちました。ニューロマトリックスという理論があり、簡単にいうと、慢性痛などの痛みやだるさは、筋肉や骨格などの構造上のものだけでなく脳(中枢)が感覚などの情報から痛みを作り出しているという理論です。
※ニューロマトリックス理論はゲートコントロール理論を提唱したメルザックという方がさらに発展させた理論です。
骨格へのアプローチ、筋肉へのアプローチ、皮膚へのアプローチ、手技で言えばクラニオ、指圧、鍼灸、操体法も含めて、それぞれのアプローチは本当は何を変えているのだろうか?
骨の位置を矯正?筋肉を物理的にほぐしたから?果たしてそれだけなのか?
それとも全く別の理由からなのか?
その答えは、神経系というのが最有力です。神経は身体中に根のように張り巡らされています。筋膜、筋肉の中にも深く入っています。神経には支配領域があり、その領域を管理しています。幸い、操体法には皮膚に対するアプローチがあり、納得しやすかったです。皮膚に触れてすこし動かす。するとお腹が反応し始めるといった現象も納得できるのです。優しいアプローチは脳も受け入れやすいから尚更ですね。
しかしながら、こうやって、徒手療法がどの様に身体に作用するから変化するという事が紐解かれていくことはワクワクしますね。この様に進化・深化していくのですね。
神経系とは
からだの内外のストレスなどの情報を処理して各部位を調整する器官です。
神経系(しんけいけい、英: nervous system)とは、主に神経細胞(ニューロン)の連鎖によって作られる神経を通して、外部の情報の伝達と処理を行う動物の器官。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
人間でいう神経系は、中枢神経(脳・脊髄)・末梢神経に分けられます。
中枢神経とは脳と脊髄で、末梢神経とは中枢と末梢を連絡する神経のことです。
中枢神経の主な働き》
中枢神経は末梢神経から得られた情報を判断処理し、また的確な命令を出す神経です。
末梢神経の主な働き》
からだの色々な場所で得られる情報を中枢に送り、中枢で出された命令を末梢に送る働きをします。
末梢神経は体性神経系と自律神経系に分けられる
体性神経系は、形態学的には脳神経と脊髄神経に分けられているが、機能的には運動神経(遠心性神経→中枢からの興奮を末梢に伝える)と知覚神経(求心性神経→末梢からの興奮や刺激を中枢に伝える)に分けられている。
自律神経系は形態学的にも機能的にも交感神経と副交感神経に分けられている。
皮膚という最大の感覚器
なぜ、人は暖かい、冷たい、柔らかい、硬いなどわかるのでしょう?
これは皮膚には様々な感覚器があり、そこに皮神経がつながっているいるからです。
・触覚=メルケル、マイスナー
・痛覚=自由神経終末 、(侵害受容器 特定の形を持たないため自由神経終末と呼ばれている)
・圧感=ファーター・パチニ
・温感=クラウゼ・ルフィニ
神経の調子が悪くなる一体どのようなことがからだに起こるでしょう?
脳が緊張などストレスを受けると(中枢神経)
不安感などによって睡眠障害・ストレス過多でうつ病・頭痛・食欲低下・神経過敏
末梢神経・自律神経が乱れると
全身の倦怠感、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠、
血流が悪い状態から首こり・肩こり・背部の緊張、しびれや痛み、感覚が鈍くなる
脳と脊髄の中枢神経から末梢神経が根のように張り巡らさせれいます。それは、筋肉、筋膜の中も貫通しています。
痛みを感じるということはそこに神経が通っているからなのです。
肩こり、首こり、背部痛なども筋肉が原因とするのが多いのですが、実はこれも肩や首、背部、腋窩の神経の血流が滞り起きることなのです。皮膚を介しての神経の伸長ストレッチなどが効果的であり、ゴリゴリとほぐすことは、逆に筋肉や神経を傷つけることになってしまうので注意が必要です。